NLPコラム No.1 意識・無意識の特徴

2015.10.20

私たちの中には二人の私がいる(意識・無意識)

NLPとは?のページでNLPのPつまりプログラムに関して説明しました。そこでは、NLPの技法を使えばネガティブなプログラムを修正できるとお伝えしました。人間を動かしているプログラムの理解を深めることはNLPの学習には不可欠です。そして、プログラムを理解するには無意識(潜在意識)を理解する必要があります。プログラムは無意識レベルにあるからです。そこで、最初のコラムのテーマは「無意識の特徴」とします。
※NLPとは?のページを読まれていない方は、合わせて読むことをおすすめします。

NLPとは?のページでは、プログラムの代表的な例として恐怖症をあげました。例えば高い所から落ちると高所恐怖症になりますね。では、この時に(高い所から落ちた時に)高所恐怖症になろうと意識的に決意して高所恐怖症になるのでしょうか?

そんなことはないはずです。階段から落ちて、痛い思い(インパクトの強い体験)をした瞬間に自動的に(無意識的に)高所恐怖症になるのです。意識的に高所恐怖症になろうと決めたのではなく、痛い思いをした直後には高い所が怖い人間になっているのです。ここで「意識」とは別のもう一つの意志があることが解ります。それが「無意識」です。

例えば、私はかつて牡蠣が大好きでしたが、ある日牡蠣を食べて食あたりを起こして、見るだけでも吐き気がする身体になってしまったのです。文字通り身体が受け付けないのです。もちろん、以前は牡蠣を好んで食べていた記憶があるので、高級レストランなどで出される牡蠣は安全だと「頭」では解ります。しかし、「身体」が拒絶してしまうのです。

「わかっちゃいるけどやめられない」という言葉がありますが、タバコやお酒は身体に悪いと「頭(意識)」で解っていても、「身体(無意識)」が強く欲した場合なかなかやめられないでしょう。この場合わかっているのは「頭」で、やめられないのは「身体」ですね。

ちなみに、無意識(潜在意識)は一説によると意識の2万倍の力があるとも言われます。恐怖症の例にありますように、プログラムは意識的に作るものではなく、体験により無意識が作るのです。これは、プログラムは無意識レベルにあるということを意味します。

高所恐怖症になった人は無意識レベルにあるプログラムが恐怖を感じさせます。そうなると、高い所は怖くないと意識的に考えても、焼け石に水に過ぎません。犬恐怖症、男性(女性)恐怖症なども同様です。圧倒的にパワフルな無意識レベルにプログラムができたら、意識(意思)の力ではコントロールできないのです。

「意識の特徴」「無意識の特徴」

恐怖症の事例を通して、プログラムが無意識レベルにあるということが理解できたかと思います。ただ、恐怖症のような極端な症状がないから自分とは関係ないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にはこれらプログラムの弊害に苦しんでいない人は一人もいないのです。私たちはいつもプログラムの影響を受けていますが、ほとんどの場合気づいていないのです。よって、プログラムについて、もう少し身近なレベルで考えてみますね。

私たちは何でも自由に考えることができます。何かをしようと決意することもできます。しかし、考えること(決意すること)を実践できるとは限りません。例えば、ダイエットをすると決意することはできます。ダイエット本は書店にたくさん販売されていますね。ダイエット本を読めば、どうすれば痩せれるのかを頭では理解できます。どのダイエット法でも良いので本に書かれている通りに実行できれば痩せるのです。

しかし、食べたいという欲求を強く感じたらどうでしょう?
一週間くらい我慢できるかもしれません。しかし我慢には限界があります。カロリーを消費するための運動もそうです。ある一定の時間運動することにより、脂肪が燃焼されることは頭では分かりますが、身体がだるかったらどうでしょう?長い期間継続するのは難しいでしょう。

このように、頭は理性と関係が深く、身体は感情(欲求)と関係が深いことが分かります。
頭ではどうすればダイエットできるかが分かっていても、身体がそれと反対のことを望んでいる場合は、「わかっちゃいるけどやめられない」状態が続くのです。アルコールやタバコへの依存からネットサーフィンやワーカホリックにいたるまで原理は同じです。頭では良くないと分かっていても身体が求めてしまった場合はなかなかやめられないのです。

頭ではどうすればいいかをわかっている。しかし、どうしてもやめられない(できない)と感じている時に、自分の意識を超えた大きな力に翻弄されているような無力感を感じるかもしれません。この時に私たちを押さえつけている力が無意識なのです。

ダイエットしようと考えていて、しかし空腹でお腹いっぱい食べたいと感じているとします。この場合、考えているのは「頭」で、感じているのは「身体」ということになります。この場合、頭では自由に考えています。美しいボディーラインなど理想を頭の中で自由に思い描くことができます。しかし、強い欲求はコントロールし難いと感じるでしょう。

ここで、私たちの意識(意思)は「頭」と関係があり、無意識は「身体」と関係があるということが見えてきます。頭では自由に考えることができるが、身体に根付く欲求をコントロールすることは難しいのです。

身体には感じる役割がありますが、頭は考える役割があり、考える(思考する)際には言葉を使います。そこで、意識・無意識の特徴を大まかに表現すると以下の図のようになります。

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※以上の図は山崎啓支が無意識(潜在意識)について研究した成果を
独自にまとめたもので、一般的にNLPで活用されているものではありません。

生きづらさの原因

私たちが生きにくさを感じる時はだいたい2つのパターンに集約されます。
それは、前述した「わかっちゃいるけどやめられない時」と、「わかっているけどできない」時」です。

「わかっているけどできない」の例としては、「このようにすれば良いと分かっていてもどうしてもできない時」に感じるジレンマです。例えば、「部屋をかたづけた方が良いと(頭では)分かっている、しかしできない」「早起きした方が効率的に時間を使える、しかしどうしてもできない」などです。

NLPも含めて自己啓発や能力開発に関する本が出回っています。これらの本を読めば、どうすれば幸せになれるか?そうすれば成功できるのか?が詳細に書かれています。どの自己啓発に関する本を読んでも、根本的には同じことが書かれていると感じる方も多いのではないでしょうか?つまりは、幸せになるための(成功するための)方法は特別な方法でもないのです。「幸せになれない(あるいは成功できない)」本当の理由は、頭では知っているが実践できないことにあるのです。

つまりは、「知っているが、できない」ことが諸悪の根源なのです。

私がなぜNLPをすすめるのか?
その理由がここにあります。

「NLPとは?のページ」に書いた通り、NLPは無意識の性質をよく理解し、無意識レベルにあるプログラムを修正するための実学なのです。これは、意識で無意識をコントロールできるようにトレーニングすることを意味します。

NLPは「知っているが、できない」を「知っていることを、できるようになる」ように橋渡しするものなのです。

なお、「意識」「無意識」「プログラム」についてさらに理解を深めた方には、NLPメールセミナー(無料)の登録をおすすめします。「意識」「無意識」「プログラム」について、違った角度から解説していますので、このコラムと合わせて読むことにより相乗効果が上がります。