修正的変化と根本的変化

修正的変化と根本的変化

  • 修正的変化
  • 根本的変化

手短に言いますと、「修正的変化」はある課題を克服するための変化です。
それに対して、「根本的変化」は、ある課題を卒業していくための変化です。

NLPラーニングのNLPは、「修正的変化」のためにもNLPの手法をお伝えしますが、受講生の「根本的変化」実現のために、NLPの手法をお伝えするのが、NLPラーニングの使命であり、こだわりでもあります。

また「根本的変化」は、「あなたの才能を開花させること」と大いに関係すると、最初にお伝えしておきます。

これから「ある課題の克服」と「ある課題の卒業」の違い、つまり「修正的変化」と「根本的変化」の違いについて簡単に説明します。

「ある課題の克服」=「修正的変化」について

例えば、ある部下の中にやけに気に障る人(Aさん)がいたとしましょう。
その部下がやることなすことが目について仕方がないが、同時に気にならないようにしたいと思っています。

先ほどお伝えした内の「ある課題を克服する(修正的変化)」とは、「ある特定の部下(Aさん)」に対しては、怒りなどのネガティブな反応をしなくなることを意味します。

これは、主にNLPの「修正的変化」の技法(テクニック)を用いることで実現できます。

「修正的変化」の技法(テクニック)は、「良い点を見るようにする(リフレーム)」、「ネガティブなイメージをポジティブなイメージに修正する」などです。
これらNLPの「修正的変化」の技法(テクニック)を用いると、「ある特定の部下(Aさん)」に対してのネガティブに反応することを克服できます

「修正的変化」のメリットは、短時間で簡単にできることです。
その技法(テクニック)により、中程度までの課題に関しては、十分に変化させることができます。
ただし、「修正的変化」にはデメリットもあります。根深い課題には対応しにくいところです。

この場合、ある特定の部下(Aさん)に対してのわだかまりは解消され、これで課題は解消したと思われますが…。
しかし大抵の場合は、手を変え品を変え同種の課題が現れます。

例えば、図Aにあるようにある特定の部下(Aさん)に向けられていた怒りが、他の部下(Bさん)あるいは自分の息子(Cさん)に向けられます。

なぜなら、図Aにあるように、「修正的変化」による対処は症状の出所(表面)をコンクリートで固めて抑えるようなものだからです。Aという噴火口を閉じられた場合、マグマは逆流して別の噴火口(BやC)から放出されることになるのです。

図Aのマグマは「症状を作り出す原因となるエネルギー」を指します。
この事例の場合(部下Aさんへのわだかまり)は「ある種の怒り」ですが、マグマ(エネルギー)の性質は人それぞれです。人によっては、「ある種の悲しみ」や「ある種の欠乏感」などの場合もあります。

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別の噴火口からマグマが放出されるということは、別の人物に怒りをぶつけるということです。 
ただし、別の人物(Bさん、Cさんなど)に向けられる時には、Aさんの時とは違う原因で怒っている(全く新しい種類の問題で怒りが湧いている)と感じますが…。

実は、克服したはずのAさんに向けられていたのと同じ根を持つ怒りなのです。

しかし、このことには気付きにくいのです。
本当の原因(マグマ)は深層部、つまり無意識(潜在意識)の底にあり見えないからです。

「ある課題の卒業」=「根本的変化」

なぜAさんやBさん、Cさんに対する怒りを感じるのか?
実は対象となる相手は全く関係ないのです。

もともとある特定の人に怒りを感じさせる原因が無意識の底に隠されているから、その反応が引き出されるのです。

このような根深い課題に関して、「修正的変化」で対応した場合は、同じ課題を新しい対象(Bさん、Cさん)で体験することになるとお伝えしました。

そこで今度はBさんCさんに対して「修正的変化」で対処してみても、さらに別の人物に対して同じ体験をすることになります。Dさん、Eさん、Fさんと…延々に同じ課題でつまずくことになります。

これは、同じ課題を新しい人物や出来事で体験し続けることを意味し、いくら変化の技法を身につけても、いたちごっこが続くだけです。それを表しているのが以下の図(図B)です。

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Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんと…延々に同じ課題でつまずいてしまう…。
これは、図Bにありますように、狭い部屋の中で同じ所を回り続けるようなものなのです。

「狭い部屋」は「視野の狭さ」を表しています。視野が狭いと問題の表面(噴火口)しか見えないのです。
そのため本当の原因(マグマ)が解らないので、同じ所を回り続けることになるのです。

それに対して、「根本的変化」は、「ある課題から卒業」するためのアプローチだとお伝えしました。

それを表しているのが、図Cです。
症状を作り出す本当の原因(マグマ)が分かるようになった時に、それを根絶して無限ループから出ることができます。

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以下の図(図D)のようにのマグマの部分(この場合は「特定の人に怒りを感じやすい性質」)を根絶した場合は、ある特定の人に怒りという「はけぐち」を求める力が無くなります。

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ですから、「根本的変化」は根深い課題に対処し、そこから卒業するためのアプローチだと言えます。

実際、「根本的変化」のアプローチで、何十年と苦しんでいたパターンから解放された方が大勢います。
このように「根本的変化」のメリットは大きな変化(根深い課題からの卒業)を実現できる点です。

根本的変化のデメリットは、このアプローチを行うことが困難な点となります。
なぜなら、無意識は、「自分を制限するパターン」を守ろうとするからです。

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この無意識の防御システムを表しているのが、図Bの狭い部屋の周りを取り囲んでいる高い城壁です。
無意識が自分自身を狭い世界に留めるために、堅固な城壁を築いています。

城壁の外には自由な世界(広い世界)が広がっていますが、無意識(城壁)がそこに行くのを阻んでいるのです。
その結果、狭い世界に閉じ込められ視野が狭くなり、問題の本当の原因が分からなくなります。

狭い世界に閉じ込められると、同じ課題を手を変え品を変え体験することになります(同じ所をグルグル回ることになる)。

変わっているように見えても、根本的には何も変わらないという状態が延々と続くことになるのです。

それには理由があります。
実は、無意識は変化しないことこそが大切だと思っているのです。

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