なぜ変化を恐れるか

私たちが変化したいと思うと同時に、変化を恐れる

例えば、幼い頃に父親との確執から、父親に対するネガティブな反応を作り出すパターンができたとします。
(※このようなパターンのことをNLPではプログラムと言います。プログラムに関しては、「NLPとは?」のページで解説しています。)

さて、このようなパターン(プログラム)ができたら、「父親」だけでなく、「父親に似た人」や「父性的な人(権威的な人など)」にもネガティブな反応をするようになります。

この場合の「父性的な人(権威的な人など)」は、学校の先生や管理職の上司などです。

幼児期から少年期にかけて父親と険悪な関係となってしまった場合、このようなパターン(プログラム)ができるのは必然的なことでしょう。

幼い頃は、弱い存在ですので、父親を避けるプログラム(父親を悪だとみなして、心を閉じるプログラム)を持つことによって、安全・安心が得られます。

このようなネガティブに見えるパターン(プログラム)でも、無意識は自分自身を守るために作っていることが解るでしょう。

これが、無意識が城壁を大切にする理由です。

自分自身を城壁の中に閉じ込めておくことは、「父性的な人など(権威的な人など)」に心を閉ざすことに当たります。

これにより、ある種の安全が得られることが分かるでしょう。

しかし、これは幼い頃にできた時代遅れの古い城壁を今でも必要だと思い込むことです。

無意識が古い城壁を通して見せているのは思い込み(幻想)であって真実ではないことが分かるでしょう。

実の父親に対して苦手だと思うことは真実を含んでいるかもしれません。

しかし「父親に似た人」や「父性的な人(権威的な人など)」まで広大な範囲にまで苦手意識を当てはめるのは思い込みです。

人間が才能を開花できない本当の理由

さて、このような父性全般に対するネガティブなパターンを大事にしたまま大人になったらどうでしょう?

「父親」に対してネガティブな反応を続けるだけならまだしも、「父親に似た人」や「父性的な人(権威的な人など)」にもネガティブな反応をしていたら、まともな対人関係を築けなくなります。

結果、以下の図(図B)のように、過剰に自分を守るプログラム(城壁)に守られた狭い世界の中で、身を縮めて生きることになります。

箇条に自分を守る

幼少期に犬恐怖症になった人はその後の人生で、道を歩きながら犬がいないかどうか不安を感じています。

同様に、父性全般に対するネガティブな思い込みを大事にして生きると、重い鎧を着て(過剰に身構えて)生きることになります。過剰に神経を使って生きることになるので、莫大なエネルギーを消耗してしまいます。

人は誰しも多かれ少なかれ自分を守るプログラム(城壁)とともに生きています。
その大半はか弱い子供時代にできるのです。

か弱い子供時代には、ある意味強固な城壁が必要です(弱い時代には自分を守る必要がある)。
しかし、あなたが大人になっても(強くなっても)、城壁は勝手に壊れることはないのです。

潜在意識はよほどのことが無い限り、一度作った城壁(安全システム)を死ぬまで守り抜くのです。
「三つ子の魂百まで」という諺の通り、人間は3歳までに身に付けた世界観を死ぬまで大事にし続けるのです。

もちろん、これらの城壁(プログラム)の中には、私たちが健全に生きるために今でも役立つものもあります。
しかし、どれが必要なプログラムで、どれが不必要なのか?
私は、今こそプログラムの見直しが必要なのではないか?とあなたに問いかけたいのです。

か弱い幼少期の安全システムを維持したまま、強くなった自分(大人)を生きる。
これは、ものすごいエネルギーの無駄使いを今もし続けていていることを意味するのです。

実は、これこそが人間が才能を開花できない最大の理由でもあるのです。

「根本的変化」は最高の才能開発法でもある